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ワイン総合研究所   渡辺  正澄
 (9) 調味料によるマスキング(被覆)効果I

タコは調味料次第で、赤ワインにも白ワインにも合う
スペインのタコ料理とワインの合せ方

すでに、タコ料理とワインの相性について申し上げたように 、 スペインのマドリッドで味わったタコの料理は、ゆでタコに調味料として、刺激味の強い(相性表の温旨系)ピメン(とうがらし)、ニンニク、コショ−などの外に、オリ−ブ油、塩、レモン汁、パセリのみじん切りなどの適量を使って、タンニンの多い赤ワイ ンと合せた。
http://www.Bulgaria-wine.jp  (4)タコのサラダとワインの相性
もっとも、スペイン北部の海岸沿いのガリシヤ産の辛口白のヴィノ・ヴェルデなら、ゆでタコに、塩・こしょう、レモン汁だけでもよい。ところで、前記のマドリッドで味わったゆでタコ料理の刺激味に、生クリ−ム(冷旨系)をだんだん多く加えると、ロゼ−へ、さらに白ワインへと なび〜く。まるで佐渡おけさの民謡を想わせるような、「ア〜リャ? ア〜リャ!ア〜リャサ!♪サッパリサ♪ 。この生クリ−ムのさっぱりしたマスキング(被覆)効果で、温旨系の料理とワインの相性は、温旨系− >中間系− >冷旨系へと変ってしまう。ただこのようなマスキングの際に、生クリ−ムの量により、味覚的に塩気が不足した場合、塩を少しだけ加えて微調節する。

    ギリシャのタコ料理

さて、ギリシャのエ−ゲ海の美しい島々の居酒屋では、獲りたてのタコの肉質を柔らかくするために、タコを石に叩きつける。そのタコを綺麗に洗ってから、炭火で表面をさっと焼いてから、塩・コショウ・オリ−ブ油、レモン汁を振りかけて食べる。この香ばしいタコに、ピッ“タコ”のワインは、ちょぴりタンニンのある苦味ばしった辛口白ワインだ。
サントリ−ニ島の断崖絶壁の上にあるレストランで、海に沈みゆく美しい夕日を横目で見ながら、レモン風味のタコと白ワインとの相性は、ご多幸(タコ)だった。タコではないが、同じような雰囲気は、昨年、ブルガリアの美しい黒海海岸にあるレストランで、友人達とイカのフライとビ−ルと味わったときも、カッコ“イ〜カ”った。
さて、ギリシャ風のタコ料理とブルガリアワインなら、辛口白のホワイト・マヴルッド、シャルドネ、ヴィオニエあたりか、白の発泡性ワイン(モンテロイヤル・スパ−クリングワイン)などがふさわしい。
つまり、マスキングの原則として、さっぱり系(ワインの“飲用適温”と“料理の相性”表の冷旨系を参照) の料理に、こってり系(温旨系)調味料を多く加えてゆくと温旨系料理に変身して、温旨系ワインに合って来る。逆に、こってり系(温旨系)料理にさっぱり系調味料を多く加えてゆくとさっぱり系(冷旨系)料理になり、当然、白ワインに合ってくる。 この関係を、 ワインと料理を合せるときに常に配慮すれば、幸せな美食人生が楽しめるだろう。
Dr 渡辺のブルガリアワインを10倍楽しむ法:(3) ワインと料理の相性関係―I

    油脂のマスキング効果

旬でない秋サバには油分を加えてマサバは、日本近海で獲れる代表的なサバの種類。“秋サバ”とか“寒サバ”などと呼ばれるように、秋から冬にかけて油がのって美味しい。 一方、ゴマサバは、一年中漁獲されるが、油分は少ない。k52.org/syokuzai/171
秋サバに含まれる油分や乳酸は、ロゼ・デ・ノワ−ルのタンニンや乳酸に合う。マサバの炭火焼きに、醤油とレモン汁を振り、やや軽めの赤と合せると、とろけるような美味しさになる。ところが、このマサバを、春になってから焼いて食べた時は、油分が少なく、醤油(50%)・レモン汁(50%)のたれで、ロゼ−・デ・ノア−ルと合せても、相性はイマイチだった。その原因は、マサバ自身に油分が欠けていたためだ。そこで、このときの焼きマサバの身をちょっと身をほぐして、醤油・レモン汁のたれをかけて、さらにオリ−ブ油を振り、再び辛口ロゼ−と合せると、ピタピタと合ってくる。この場合、中間系のロゼ−のタンニンと仲のよいオリ−ブ油が、口中で滑らかに合って美味しく感じられた。これは油分によるマスキング(被覆)効果である。
ゴマサバの場合、オリ−ブ油で揚げた“竜田揚げ”にして、醤油とレモン汁をかけると、中間系ワインのエドアルド・ロゼ−・デ・ノア−ルとよく合う。
Dr 渡辺のピタピタセミナー(12) サバと ワインの相性 - 美味しいブルガリア

カレ−・ライスをシャンパンに合わせた思い出
マスキングにサワ−・クリ−ムを選んだ理由

カレ−ライスのマスキングでは、楽しい思い出がある。数年前、東京日比谷公園内にあるフランス料理の老舗・松本楼で、「カレ−・ライスとシャンパンの相性」の実験と講演をした。主催者は、著名なワイン・ジャ−ナリストの青木冨美子さんだ。
この会の数日前に、青木さんから電話で「シャンパンを松本楼・名物のカレ−・ライスと合せたい」と言う。ならば・・・? とにかくサワ−・クリ−ムを用意してもらうことにした。
サワ−・クリ−ムを選んだのは、シャンパン中の酸(総酸)は、あらゆるタイプのワインより酸(総酸)が多く、またほとんどの場合、アルコ−ル発酵に加えてマロラクチック発酵(リンゴ酸が乳酸に変わる発酵)を起こして乳酸が多い。それゆえ、カレ−ライス (相性表の温旨系)
を、シャンパン(冷旨系)に合わせ易くする調味料は、乳酸を含んだ調味料で、しかも、カレ−中のスパイス(温旨系)をマスキングできるサワ−・クリ−ムが、料理の風味に対しても最上と考えたからである。

    松本楼でのほろ酔い?講演

松本楼での当夜の講演は、著名な葉山孝太郎さんの後だった。葉山さんの講演中に、料理とシャンパンをご機嫌で楽しんだ後、いよいよ筆者の講演となった。講演を始める頃には残念ながら既にほろ酔い気分になっていた。だがカレ−・ライスとシャンパンの相性実験と講演は、とにかく楽しかった。自分でも信じられないジョ−クが、なぜか機械的に口から飛び出してきて、酒神バッカスのテレパシ−でしゃべらされているような講演だったかもしれない。ワインを飲んで酔っぱらうと、お笑い状態になるのは確かだ!そんな状態のときの講演の要約が、青木さんの www.non-solo-vino.net に、「カレ−・ライスとシャンパン」の文で、好意的に記載されていることを知りほっとした。その文をここでお借りして、下記にご紹介することにする。

松本楼のフランス・レストラン『ボア・ド・ブローニュ』では落ち着いた雰囲気のディナーを enjoy!たくさんの笑顔に囲まれ・・・ 会場は抱腹絶倒(www. non-solo-vino.net

(中略)
第三部はアルコールの酔いもまわり、絶好調になってきた渡辺正澄講師の登場です!再度シャンパンが供出されます。続いて松本楼ご自慢のカレー、そしてサワークリーム。
でも・・・渡辺先生の「料理とワインの相性」セミナーは完全に飲酒運転になっている〜(苦笑)
会場は爆笑の渦、 Non Solo Vino 始まって以来の寄席状態です!先生は、香辛料をたっぷり使って作るカレーには、ドイツの香り高い品種ゲヴュルツトラミネル(“ゲヴュルツ” はスパイスの意味)と合わせたり、料理の辛味はワインの甘味によって消し去ることができる、と解説した後、「ウクライナはボルシチの発祥地です。スパイスがたっぷり入ったボルシチに生クリームを使うと辛味が緩和されますし、ブルガリアではプレーンヨーグルトを使います。カレーとシャンパンを合わせる場合、炭酸ガスがまず口の中のカレーを洗い流し、サワークリームを少し添えることで口中に残っているカレーの渋味が消えてしまいます。これはサワークリームの中の乳酸が、シャンパン中の乳と合うからです」と述べ、なんとか第3部の結論にたどり着くことができました。ふ〜っ(溜息)。
渡辺先生と初対面の参加者は、先生のお茶目なキャラにビックリしていました。
(後略)
尊敬する神様のような青木様!よい記録にして頂き、ありがとうございます。 (渡辺。三拝)

    カレ−とサワ・クリ−ムの相性

さて、ほとんどのシャンパンは、製造期間中にマロラクチック発酵(乳酸発酵)によって、乳酸を含んでいるので、同様に乳酸のあるサワ−・クリ−ムとは相性がよい。それに、サワ−・クリ−ムのミルキィな乳化力で、カレ−ライスの温旨系の辛味をマスキングする。
この際、カレ−自身に約10%のサワ−・クリ−ム(冷旨系)を混ぜる。このとき味が薄く感じられたら、少量のウスタ−・ソ−スを加えて味わいを調節すればよい。
当夜の講演での話を、かすかに想いだすと、「チャ−ミングな冷旨系のミス・サワ−・クリ−ムに、苦味ばしった温旨系のカッコイイ・カレ(彼)が、カレ−がですよ! ウサンクサイ?相性表の右側の温旨系の位置から左側の冷旨系の位置を目指ざして、「サワ−・クリ−ムちゃんに♪愛シテイルヨ♪〜” (歌声調で)、 なんてね!風のように飛んでゆく〜」 (爆笑)
(LEO「愛してる feat. TEE & LANCE(ONE☆DRAFT)」 - Music Video ,You-Tube.-)このご説明中に、会場の真ん中のテ−ブルあたりから、「自分で作った相性表だよ!」の笑い声。「でも、この表は“ノ−ベル〇”じゃないけど!素晴らしい”飲〜メル表”だ」などの応援の声も・・・会場はまさに寄席の雰囲気になって、“シマッタ!” さて、カレ−ライスのサワ−・クリ−ム風とシャンパンの華麗(かれい:カレ−)なる相性に、 会場の皆さんが、心ゆくまで楽しめたことは、笑顔で幸せたっぷりの様子で分かった。
なおカレ−ライスのサワ・クリ−ム風味は、シャンパンによく合ったが、それに加えて、シャンパンや様々な発泡性ワインは、食事から終わりまでの料理まで合わせ易いのは、口中で食べた料理と炭酸ガスとが、速やかに混合して違和感を無くすことも、大いに寄与している。ブルガリア産の発泡性ワインのモンテロイヤル・スパ−クリングワイン、バブルスパ−クリングのロゼ−やムスカテルなどとも合わせてみては?いかがでしょう。
さて、翌日、正気に戻って、しみじみと万葉集を拝読した。昔の相性歌、いや愛の歌は、ロマンチックで素晴らしい。あの頃ワインが、もしあったらどんな歌を詠んだろうか。
君待つと、我が恋ひをれば、我が宿の、簾(すだれ) 動かし、 秋の風吹く 額田王(ぬかたのおおきみ)
例の相性表には、 すだれがないのだが!
たのしい万葉集: 恋の歌 - AIRnet

    刺激味を甘味で消すか、甘味と甘味の共通成分で合せるか

また、辛口も甘口カレ−も、甘口のムスカット・オットネルと合せられる。辛口カレ−のスパイスの刺激味は、甘口ワインの甘味によるマスキング効果で隠される。また甘口カレ−の甘味は、甘口ワインの甘味によっても相性がよくなってくる。さらに、辛口カレ−の刺激味は、赤ワインのタンニンにも合う。このような理由から、赤ワインでは、マヴルッド、カベルネ・ソ−ヴィニヨン、メルロ−、ギャムザなどと、華麗(かれい:カレ−)に合わせることもできよう。

    ブッフ・ブルギニオン(牛シチュ−)から、ブッフ(ビ−フ)・ストロガノフへ

さて、赤ワインと相性の良いブッフ・ブルギニヨンに、生クリ−ムをかけると、ビ−フ・ストロガノフ風の料理になり、白ワインに合ってくる。
この研究は、数年前、東京新宿に
あったスエヒロ店のワインマスタ−(R)研究会で行った。

    牛シチュ−(ブッフ・ブルギニヨン)ピタピタ風の作り方

牛シチュ−についてのワインマスタ−塾のレシピ− (8〜10人分)を下記に示す。
まず、牛のもも肉 800 g とすじ肉 200 g を、大きめに切り分けて、フライパンで軽く焦げるまで焼き、塩・コショ−する。火を止めてフライパン中の焼き肉は、そのまま、カヴァ−して放置する。次に大きめなタマネギ1個、ニンニク1個、セロリ−の茎葉3枚、パセリ一束を刻む。これらの野菜にトマト1缶分を合せて、ミキサ−で野菜ジュ−スにする。フライパンに放置しておいた肉に、赤ワイン1本、野菜ジュ−ス、軽く塩、コショ−、ロ−リエの葉3枚を加えて、弱火で約2時間以上煮込む。肉が柔らかくなったら、市販の牛シチュ−の素の適量を混ぜて味を整える。最後にバタ−約 30 グラムを溶かして香りのよい風味に仕上げる。できた牛シチュ−の刺激味が、合せる赤ワインのタンニンより弱いときは、適量のウスタ−ソ−スを加えて、バランスをとる。

    シチュ−をビ−フ・ストロガノフ風に変える  

この牛シチュ−中には、たっぷり赤ワインが加えてあるから赤ワインとの相性はもちろんよい。ところが、この牛シチュ−に、生・クリ−ムまたはサワ−・クリ−ムを加えると、クリ−ムの乳化力とマスキング効果で、その料理は、 ビーフ・ストロガノフ風の料理に変身して、白ワインに合ってくる。 (ただ、実際のビ−フ・ストロガノフの肉は薄く切る ) 。このとき牛シチュ−の風味が薄くなったら、やはり少量のウスタ−・ソ−ス を混ぜると美味しさがもどる。こうなると、白の辛口のホワイト・マヴルッドやシャルドネ、スパ−クリングワインに合う。もし、 甘口ワインなら、料理に甘味のある中濃ソ−スを加える。

    牛ヒレ肉のマスキングとトゥルヌド・ロッシイニ

トゥルヌド・ロッシニは、 脂肪が少なくて味わいの濃い牛ヒレ肉を、脂肪の多いフォアグラでソテ−して脂濃い料理にマスキングする。この料理は、牛ヒレ肉(冷旨系)を、脂肪たっぷりのフォアグラでソテ−し、その上にトリフをのせて、マディラソ−スまたはソ−ス・ペリグ−を添えて、こってり系(温旨系)料理にする。これに樽熟高級赤ワインと合せると豪華な食事になる。
西暦2000年の秋にボルド−へ出かけた。ボルド−のプリム−ル(新酒)の購入のためであったが、ついでに有名なトゥルヌド・ロッシイニを、現地の樽熟赤ワインと味わってみた。この料理は、すでに銀座ライオンでのピタピタ・ワイン会や、日比谷松本楼でのワインマスタ−会でも味わったが、この料理の味わいの違いは、日本もフランスも、ほとんど変わらなかった。いまや日本にあるヨ−ロッパの国々の料理のほとんどが、日本国内でも美味しく味わえる。日本での高級外国料理店の調理技術は、ヨ−ロッパ各国とほとんど同じ水準にあり喜ばしいかぎりだ。

    すき焼き:生卵によるマスキング

すき焼きの作り方は、関東風と関西風がある。関東では、先ず大きめな鍋を加熱して牛脂を大さじ二つ程度加えて溶かし、薄切り牛肉(4人前=約400〜500 g)と、白ネギ(2〜3本)を加えて焼く。割り下(醤油100 mL+みりん100 mL+昆布茶適量)、豆腐(2丁)、白菜(1 /4個)、しらたき (100 g)、春菊(適量)、きのこ類(適量)などを加える。必要に応じて調味料や水を加えて弱火で煮る。
関西では、牛脂で薄切り肉と白ネギを焼きながら、砂糖を加えて醤油を加える。次に水気の多い白菜を先に加えてからほかの材料を加え、さらに調味料や水を補うのが一般的である。cookpad.com/articles/358

    白か赤か、飲むワインで、つけ卵の中身も変わる

6 すき焼きに、生卵なしに食べるときは、すき焼きの成分の牛肉(温旨系)や醤油(温旨系)などの影響で、赤ワインと合い易い。ところが、すき焼きに生卵を絡めてマスキングすると、すき焼は、甘口の白と合ってくる。例えば、やや甘口白のムスカット・オットネルやバブル・スパ−クリングのロゼやムスカットにピタピタとなる。この場合、すき焼きの甘さとワインの甘さが、が料理とワインの相性を引き立てている。

    黄身と白身のたれ

さて、生卵の黄身と白身を分けた“たれ”を作る。黄身と白身に、それぞれ.同量のレモン汁を加えて溶かし、塩・コショウを、ちょっぴり多めに混ぜる。コショウは、チリソ−スに変えても大丈夫だ。
すき焼きに、上記の黄身たれをつけて、辛口赤ワインと合せる。一方、すき焼きに白身たれを浸けた場合は、辛口白ワインとピタピタと合う。これらの卵系“たれ”によって、すき焼きは、幅広く様々なタイプのワインに合わすことができる。全く、 バンザ〜イ! と 言いたくなる。卵さんよ!ありがとう。(続く)


(10) 調味料によるマスキング(被覆)効果―II

   

 
(1)ブルガリアワインの大要 (2)ブルガリアワインの歴史 | (3)ワインと料理の相性関係―I (4)ワインと料理の相性関係―II (5)ワインと料理の相性関係III | (6)ブルガリアのワイン産地(7)ブルガリアのぶどう品種(8)ワインと健康(10) 調味料によるマスキング(被覆)効果―II