カートの中身を見る

カートの中に商品はありません

メールマガジン

メールアドレスを入力してください。


モバイル

Feed

ワイン総合研究所  渡辺 正澄

拙宅では、いつも年末になると近所の飲み仲間と鴨鍋をかこんで、ワインを楽しむ会をしている。ジビエ(野生鳥獣肉)系のマガモの肉は、冬のおいしい食材だが入手は難しい。しかしマガモとアヒルの交配養殖の合鴨は、ス−パ−でもほとんど一年中購入できる。合鴨は養殖でのんびり飼育されたせいか、肉質が軟らかく皮下脂肪が多い。 合鴨の脂肪分には、融点の低いオレイン酸が、豚や牛より多く、体内の悪玉コレステロ−ルや中性脂肪の低減、それにオレイン酸以外にも含まれているリノ−ル酸もコレステロ−ルを低下させる。このほか、リノレン酸は、アレルギ−の抑制、免疫力の増強、癌の抑制、高血圧の低下などの作用がある。 さらに、ヴィタミンB2による美肌効果など、体の健康に良い様々な成分が含まれている“カモ(鴨)・オン・プリ〜ズ!”の健康食品である。
*:www.cook-foods.co.jp 

合鴨の燻製と合うワインは、調味次第
ところで、拙著の「ワインと料理の相性表」中での合鴨の食材としての位置は、さっぱり系(冷旨系)でも、こってり系(温旨系)でもない中間系右寄りである。*:bulgaria-wine.jp.「Dr.渡辺のピタピタセミナ−(3, 28) また合鴨の肉質は柔らかいので、調味料は肉内部に浸透しやすい。つまり、合鴨は、調味料によるマスキング(被覆)次第で、辛口や甘口の白にも赤にも都合よく合い易い。ここでは合鴨の燻製(スモ−ク)料理を、調味料によるマスキング(被覆)で冷旨系から温旨系までのワインと合わせてみよう。

1.合鴨の燻製と野菜のマリネ(2〜3人分):さっぱり系(冷旨系)ワインと合わせる

(左図)
先ずポリパック内で合鴨の燻製と野菜をマリネする

ス−パ−で購入の合鴨の燻製160g(紅茶鴨スモ:www.cook-foods.co.jp)の切り分け12等分+タケノコ水煮(真空パック)100gの切り分け10等分+茹でたさやえんどう10個+トマト (中1個)の四つ切り+レタス3枚+半個分のレモン果汁+ビネガ−・スプ−ン1杯+顆粒の丸鶏がらス−プ(味の素)をスプ−ン1杯+塩・コショウ適量+大葉2枚の千切りを、ポリエチ袋に入れて混ぜてマリネする。これを冷蔵庫で15分ほど冷やしてしてから皿に移し、最後に念のために塩・コショウとレモン汁で味を調えてこの料理は完成。

ポリパック中の合鴨の成分(乳酸:温旨系)は、さっぱり系の食材と調味料(冷旨系)によるマリネで被覆(マスキング)されて、冷旨系料理になる。この料理と、冷やして旨い“冷旨系”辛口白のソ−ヴィニヨン・ブラン、トラミナ−、ムスカットなどに合わせると、ピた・ピタと合う。




     2.合鴨の燻製のワイン風味パスタと白ワインとの相性(1人分):パスタを白ワインで煮込む



 

最初に、合鴨の燻製(60 g)を横に5等分に切って用意しておく。
フライパンに、オリ−ブ・オイルをスプ−ン2杯+刻んだニンニク1/4(一片種)を入れて、ゆっくり加温する。ニンニクの香りがでてきたら、焦げないうちに、辛口白のシャルドネ100 mL+市販密封パック入り水煮のたけのこ1/4を小切り分けにする)+塩・コショウ適量を加えて加熱を続けてアルコ−ルを飛ばしながらソ−スを作る。フライパン中のソ−スの加熱中に、別の鍋でパスタ100 gを茹でる。茹でたパスタの芯が、やや固い状態のときに、このパスタを、フライパンで加熱中のソ-スに移す。フライパン中のソ−スがパスタの水分を吸収するので、フライパンが焦げないように、さらにシャルドネを丁度よい煮込み状態になるまで少しずつ補充する。パスタの芯が、ほぼ無くなったら、上記の合鴨の燻製、バタ−10g、レタス数枚を手でちぎって加えて加熱を止める。最後に、塩加減を調節し、香り付けに、新鮮なバジルや大葉(青じそ)などを、調理の最後に適量加えると、晴れやかな優雅な味わいになる!♪ 合わせるワインは、シャルドネをはじめとして、辛口白のソ−ヴィニヨン・ブランやトラミナ−にも、よく合って幸せ!♪

なお、この料理に使う合鴨の皮を、フライパンに入れてやや弱めに加熱すると、脂分が溶けて燻香を含む脂の液が得られる。 この溶けた脂分の少量(20mL程度)を、料理の最後にバタ−と共に加えると、より一層複雑で優雅な風味を楽しむことができるので、ニコ・ニコだ。




     3.合鴨と野菜のアイオリソ−ス風(2〜3人分):樽香とニンニクの香りの相乗効果





  

上記1と同様に、合鴨の燻製160gの12等分の切り分け+タケノコ水煮(真空パック)100gの12等分の切り分け+茹でたさやえんどう10個+中位のトマト1個の四つ切り+レタス3枚+大葉2枚の千切り+レモン汁(半個分)、塩・コショウ少量を皿の上で混ぜ入れておく。さらに、マヨネ−ズ(90%)+すりおろしニンニク(10%)を加えて混ぜたアイオリソ−ス風のソ−スを、皿の中の食材の上にかける。

この料理のアイオリ風ソ−スに含まれるニンニクの香りは、なんと、一緒に味わったゴ−ルデン・リズム・シャルドネに含まれた樽香とは大変よく合う。
その
上、他の成分までも和やかにする! 楽しい風雅な食事には最高の料理の一つになりそう♪〜




     4.合鴨のショウガ・ニンニク・梅干し風味の料理(2〜3人分):梅干し添えて和風味に





  

大皿にレタスを敷き、その上に切り分けた鴨の燻製160gを、図のように15等分に切り分けて並べる。この合鴨の燻製に、すりおろし生ショウガ約30 g+押しつぶしたニンニク約5g+レモン半分個分の果汁+塩・コショウ適量を混ぜたソ-スを、切り分けた合鴨の肉に振りかける。こうすると、ニンニクの風味が、ゴ−ルデン・リズム・シャルドネの樽香に心地よく合う。さらに中位の梅干し3個+すりおろしニンニクニク適量を混ぜたペ−ストを皿の中央部に置く。このニンニク風味の梅干しを料理にチョッピリ添えると、独特なアクセントのある和風的なおいしさに変わる!この和風変身の料理に、合わせたゴールデン・リズムも、ますますリズミカルな味わい! ついでに“リズミカル”なモダン和楽器の音色を、カンパイしながら聴きたくなった。

     5.冷やし牛しゃぶ・どんの和風・ヨ−グルト・ソ−ス+マスタ−ド添え(1人分)

(右図):醤油とバルサミコ酢の混合液に卵黄を混ぜる

合鴨の燻製に、醤油とバルサミコ酢を混ぜてから卵黄でかきまぜて乳化させたソースは、どんな風味の料理になるだろうか?上の写真は、赤身魚の写真のように見えるが、これは、合鴨の燻製(80g)を皿に横に並べて切り揃え、その上から醤油20 mL(キッコ−マン特選)+バルサミコ酢20mL(バルサミコ アドリアーノ グロソリ・ビネガー 食品)20mL+卵黄1個(右図)を、よく混ぜたソ−スを振りかけた色である。ソース中で乳化した卵黄はコクを与えることが分った。写真の手前右の3色の小さな塊は、左から、生わさび(エスビ−食品)、生にんにく(ハウス食品)、きざみ青じそ(エスビ−食品)である。これらの薬味を変えて味わうと、同じ赤ワインで味わっても風味が変わって楽しめる。醤油にもバルサミコ酢にも乳酸が多いので、乳酸の多い赤ワインに向く料理だ。ワサビやニンニクは、赤ワインの渋味と仲がよい。青じそソースの場合は料理に、わさびを少々追加すると、赤ワインによく合う。先ず、この料理に赤ワインとして、シャト−・ブルゲゾ−ネのメルロ−と合わせた。メルロ−以外にも合う赤ワインは、カベルネ・ソ−ヴィニヨンやマヴルッドなど幅広い。合鴨の燻製の背後にレモン半個とチリ産生食用黒ブドウ(レッドグレ−プ)を添えた。レモンは、合鴨の燻製をフレシュにするので、必要に応じて使う。

この料理を味わった後で、チリ産の黒ブドウ(レッドグロ−ブなど)に赤ワインを合わせて味わった。 すると、赤ブドウの甘味と果皮のタンニンで赤ワインの渋味(タンニンと乳酸)が消えて、美麗な酸味と甘味のある豊かな味わいが、口中に心地よく広がった。




     6.合鴨の燻製のオレンジソ−ス添え(2〜3人分);「甘味は渋味を隠す」の相性原則





  

フランス料理にある「鴨のオレンジ煮込み」のレシピ−は、驚くほど多い。オレンジの風味のソ−スのおいしさが、多くの人達に支持されてきたことにほかならない。しかも、この料理の甘味は、ワインの渋味を消して口中に、タンゴの踊りのように格好いい味わいが残る。ここで、ご紹介する甘いオレンジソ−スの作り方は、簡単かもしれないが、賞味した赤ワインは、辛口でも甘口でもよく合う。ここでは、ワインと料理の相性の原則の「甘味は渋味(ワインの乳酸やタンニン)を隠す」に従うことにする。
そこで、下記のようなシンプルなレシピ−ながら、ワインとの相性がよい料理を作った。
先ず、縦の長さ約8 cmの合鴨の燻製160gを、横幅7mm程度に切り揃えて、大皿に格好よく置いた。これにオレンジ(小1個)の汁を、鴨の燻製の上に振りかける。 次にオレンジ果皮入り・マ−マレ−ド50 g(明治屋)+おろし生ニンニク10g+塩・コショウ少々のソ−スを燻製の上に振りかける。最後に、刺激味のあるブロッコリ−・スプラウトを料理の最上部に散らした。これで辛口と甘口の赤の両方のワインに、それなりに合う。

この料理の甘味は先ず、オレンジの果皮の香りと赤ワインの香りが相乗した独特な風味が楽しめる。辛口赤のマヴルッドやメルロ−と合わせた。 なんとも旨い!さらに、ザグレウス醸造所の高貴な極甘口赤のノ-ブル(Noble)と合わせた。なんと、高貴な風味の相性!ナズドロベ!カンパ〜イ!♪〜
(ところで、この料理は、赤だけでなく、甘口の白やロゼとも会う。この場合の相性の原則は「甘味の一致」による)


     7.合鴨の燻製のブル−ベリ−・ソース・シイタケ風味(1〜3人分):高貴な相性





  

大き目な皿にセロリの葉を数枚敷き、その上に合鴨の燻製160gを、図のようにやや厚めの9等分に横に切り分けて並べる。これに、ブル−・ベリ−・ソ−スを添える。このソ−スは、フライパンに赤ワイン60 mL、オリ−ブ油10 mL、小半個分のタマネギの千切り、シイタケ小3枚の4等分に切り、セロリのすりおろし汁20 mL、きざみニンニク1片、月桂樹の葉2枚、塩・コショ−適量を加えてから重ね蓋をして煮込み、最後に解凍のブル−・ベリ−の搾り汁30 mLを混ぜ、余熱でバタ−15gを溶かして風味を足した。なお、この料理のソ−スに加えたセロリと月桂樹の葉は、この料理の香りを一層優雅にしている。また糖分の多いブル−ベリ−の搾り汁は、加熱し過ぎると苦くなるので、ソ-ス作りの最後の方で加えた。さらにバタ−の素晴らしい香りが飛ばないように最後に加えた。
この料理を、マヴルッド、メルロ−、カベルネ・ソ−ヴィニヨンなどで、ゆっくりと味わっていると、ふと、ブルガリア最北部を流れるドナウ河を眺めていたときのように、のどかで、おだやかな気分にさせられた! さらに食事の最後に、大皿に添えておいたチリ産の赤ブドウを、赤ワインと共に味わって、相性の余韻を楽しんだ。 ナズドラベ!〜 カンパ〜イ♪ 拍手!!! 皆様も、どうぞ、料理とワインをお楽しみ頂ければ幸いです。


渡辺 正澄 プロフィール

農学博士(京大)、ワイン総合研究所 代表取締役社長、ワインマスター研究会 代表。
山梨大学工学部応用化学科卒。ドイツ・スペイン国際学会等でワインと料理の相性や醸造学などの学術研究を発表。著名な日本のエノロジストの一人として評価される。
国際ワイン醸造経営協会日本理事、社団法人 日本ソムリエ協会名誉ソムリエ。
1978年、日本醸造協会技術賞 受賞。著書に「ワインと料理の相性ピタ・ピタ講座」 「ワインの常識がガラリと変わる本」「ヨーロッパワイン美食道中」などがある。


   
(1)牡蠣とワインの相性(2)牛しゃぶとワインの相性
(3)カツオとワインの相性 (4)タコのサラダとワインの相性(5)ホタテのカルパッチョとワインの相性(6)桃のフルーツサラダとワインの相性-1(7) 桃のフルーツサラダとワインの相性-2(8)梨のフルーツサラダとワインの相性(9)カジキマグロとワインの相性 (10)お正月料理とワインの相性(11)湯豆腐とワインの相性(12)サバとワインの相性 (13)イチゴのサラダとワインの相性 (14)新緑の料理とワインの相性(15)夏の組み合わせ料理とワインの相性(16)各国のカツレツ料理とワインの相性-1 (17)各国のカツレツ料理とワインの相性-2(18)ココナッツオイルを使った料理とワインの相性 (19)アヒージョとワインの相性I (20)アヒージョ とワインの相性II(21) スルメイカとワインの相性(22) エビの料理とワインの相性(23) 酢漬けヘリング(ニシン) とワインの相性(24)スモークサーモンの料理とブルガリアワインの相性(25) ヨーグルト入りソースと とワインの相性(26)ヨーグルト入りソースと ブルガリアワインの相性(27) タラのムニエルと ブルガリアワインの相性|(28) ブルガリアのスネジャンカをベースにした料理とワインの相性 | (29) ブルガリア料理とワインの相性 | (30) ブルガリア料理とワインの相性-II | (31) 和風料理のヨ−グルト・ソ−ス(たれ)とブルガリアワイン | (32) 抹茶料理とブルガリアワインの相性(33) 抹茶料理とブルガリアワインの相性II | (34) フルーツの多い料理とブルガリアワインの相性