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ワイン総合研究所  渡辺 正澄

大分前に、アメリカのカリフォルニアのワイナリ−を視察した。肉類を多く食べる方達が多い所なのに、意外にも血色がよいのに驚いた。その原因は、カリフォルニアがフル−ツ王国で、オレンジ・ジュ−スなどのヴィタミンCの多い飲料を、多く飲んでいるためではないかと思った。帰国後、薬局でヴイタミンCを購入して常用したところ、風邪をまったくひかなくなった。様々のフル−ツには、健康によい様々なヴィタミンが多く含まれている。
*果物の効果:http://www2.tokai.or.jp/shida/heaith_assist/kudamono_kouka.htm
そこで本稿では、健康によいフル−ツを多めに取り入れた料理を作り、同時にワインとの相性を調べた。

   1.フル−ツのサラダと小エビの料理(1〜2人分)

先ずリンゴ半分を4等分に切り分ける.キウイ(緑色のキウイフル−ツ:A.deliciosa)1個の輪切り、イチゴ(中)4個の縦二等分切り、塩茹で小エビ8匹を皿に入れて混ぜて塩・コショ−する。
ja.wikipedia.org/wiki/

この料理に、やや辛口のトラミネールを合わせた。料理に甘味があるので、レモン半分の果汁を混ぜた。トロピカル・フル−ツの香りのするトラミネールに、この色も鮮やかな料理はピタピタと合う。料理に甘味があるので、レモン半分の果汁を混ぜたのがよかった。レモンには、酸味としてクエン酸が多量(約6%)に含まれている。

ワインの総酸は、約0.6~0.9%なので、濃度の濃いレモンの酸味は料理中で希釈されて、ワインの酸味と調和が取れやすい。ちなみにレモンにあるヴィタミンCはレモン果汁100g中50mg含まれている。
www.vic-japan.gr.jp/vicJ/no.104/No104.pdf




    2.イカの輪切りのフル−ツ添え(1人分)

新鮮な冷凍イカ(1匹)は、解凍後、熱湯で1分間加熱してから急冷して皮を除く。胴体部分は,輪切にする。足の吸盤や耳は、ステンレスのタワシで擦ると簡単に除ける。足は3cmの長さに切る。耳は食べやすい大きさに細長く切る。

イチゴ2個を縦半分に切る。茹でた菜の花一束を3cmに切り分ける。これらを皿に入れて、塩・コショウ適量とカリフォルニア産小型のミネオラオレンジ半分の果汁を料理全体に振ってから混ぜる。最後に、アクセントとして抹茶の粉少々振る。この料理は、いくらか甘みを感じるバッカス・ムスカットと合わせた。ナント!この早春の雰囲気を感じさせるイカ料理は、ムスカットにピッタリで、気分もホノボノとさせてくれた!♪〜 
なお、白のトラミナ−ルやソ−ヴィニヨン・ブランでも、さわやかな相性が楽しめた。

    3.西京漬け・銀鮭のハラスのソテ−にフル−ツとアリオリ・ソースを添えた料理(1人分)

油身たっぷりの西京漬け銀鮭のハラス(長さ20cm、幅3cm、厚さ2cmほどの大きさ)を、オリ−ブ油で軽く焼く。キウイの輪切り2個と、3cmに切った茹でた菜の花一束、柚子半分、アリオリ・ソ−ス(マヨネ−ズ80%+すりおろしニンニク20%)を添えた料理。油は塩分を吸収しにくいので、油分の多いこのハラスは、塩分が少ない場合があり、焼く前に生の身の一部を、舌で味見しておく。塩分が少なければ、料理の仕上げ時に、適量の塩・コショ−を振る。

この銀鮭のハラスは、マグロのトロのように油分が多いので、タンニンの多いEMのピノ−・ノワ−ルと合うと考え、ソ−スは、この赤ワインと相性のよいアリオリ・ソ−スにした。またキウイの糖分も赤ワインのタンニンの渋味をなめらかに隠す。主役のハラスには乳酸が多い。この乳酸が赤ワインの乳酸にピッタリと合う。

ピノ・ノワ−ルの飲用温度は、タンニンの多いカベルネ・ソ−ヴィニヨン(16℃)より低めの温度(14〜15℃)でおいしい。高貴な香がするこのピノ−・ノワ−ルとの相性は、華やかで楽しいワイン・タイムにさせてくれた。思わずナズドラベ! カンパ〜イ♪ の愉快なム−ドになった。それに、もう一度、近いうちにこの相性を楽しみたくなった。


この料理に添えたアリオリ・ソ−スに、レモン汁を少々プラスして、黒海沿岸の白の名酒で、すばらしい樽香があり、リンゴ酸が多く乳酸もある、ゴ−ルデン・リズム・シャルドネと合わせようと思う。レモンのクエン酸とワインのリンゴ酸は、例の「ワインと料理の相性表」では、同じ冷旨系で相性がよい。

    4.ホタテ+キウイ+レモン(1〜2人分)

新鮮なホタテ(大6個)に、すりおろしのニンニク、ショウガ塩・コショ−を適量振り、バタ−+オリ−ブ油で表面を軽く焼く。キウイ(半分)を2〜3mmの厚さに切り、4等分に切り分けて料理に添える。さらに茹でた菜の花一束を加える。 

ホタテには、イクラを少し載せる。最後にレモン汁を料理全体に振る。 これで、バッカスのシャルドネか、ゴ−ルデン・リズム・シャルドネと合わせる。ゴ−ルデンリズムの場合は、料理にニンニクを多めにくわえると、このワインの樽香との相乗効果で心地よい余韻が残る。まさに、ゴ−ルデン・リズムの相性!

     5.ウナギのかば焼きとフル−ツサラダ(5人分)  高級甘口赤のNOBLEと合わせる

正月のワイン会で、ウナギのかば焼きに、思いきってフル−ツを添えた。中位のウナギのかば焼き1匹を小口に切り分け、カルフォニア・オレンジ1個とキウイ2個の輪切り、青ブドウ果粒10個(赤ブドウが入手できなかったので代用)、冷凍ブル−ベリ−10個、さらに抹茶のアイスクリ−ム1箱分を、スプ−ンデで小分けして、大皿に盛り、塩・コショウして混ぜあわせた。

この甘味のあるサラダには、甘味のあるワインとして、ザグレウス・ワイナリ−の高級甘口赤で、マヴルッド品種のNOBLE 2012 (ノ−ブル)と合わせてみた。 すると、サラダに加えたフル−ツでは、オレンジとブル−ベリ−が、ノ−ブル とよく合いそうに感じた。

そこで、かば焼きのタレに、オレンジソ−スをプラスした場合と、ブル−/ベリ−・ソ−スをプラスした場合に、ノーブルは、どちらになびくか? ・・・“To drink or not to drink” 

・・・この問題を解決するために、以下の実験をした。



     6.ウナギのかば焼きのたれに、オレンジまたはブル−・ベリ−系のソ−スを補足して比較
     

うなぎのたれのオレンジ系

 ブル−・ベリ−系+フル−ツ

ウナギ一匹を半分に分けて、1つをウナギのタレ・オレンジ系(ソ−ス)に、もう1つをブル−・ベリ系(ソ−ス)用にした。
ウナギのタレ・オレンジ系には、ウナギのタレ(70%)+オレンジ・ジャム(20%)+オレンジ果汁(10%)とした。ウナギのタレ・ブル−・ベリ−系には、ウナギのタレ(70%)+ブル−・ベリ−・ジャム(20%)+解凍・ブル−・ベリ−果汁(10%)とした。ただし、冷凍ブル−・ベリ−には、本来の香りが不足していたので、冬でもスーパ−で入手できるパイナップルとイチゴを添えて香りを補った。(パイナップルやイチゴの代わりに、クレ−ム・ド・カシス(ブル−・ベリ−)による補強も考えるが、クレ−ム・カシスによる実験は、次回に予定している「鴨の燻製のソ−スとワインの相性」で報告したい)。 
さて、ウナギのタレのオレンジ系ソースは、かば焼きにかけて、ノ−ブルと共に味わうと、朝日が昇る時のようなイキイキとした風味に狂喜の涙がでた♪〜 ただ、伝統的なうなぎのタレを好む場合は、もちろん、そのまま、ノ−ブルと共に賞味してほしい。
次に、うなぎのかば焼きに、ブル−・ベリ−系ソ−スをかけて味わうと、つつましく合う。ただ、昇りゆく太陽の時の感じとしては、100点満点で92点位かも?そこで、新鮮なヴィタミンCの多いパイナップルとイチゴをソ−スに混ぜて味わうと新鮮で素晴らしい相性になった。
現在、ブル−・ベリ−果汁100%の商品は、通販で購入できる。しかし、冬に頂くウナギのかば焼きには、ウナギのタレに新鮮で入手し易いオレンジとオレンジ・ジャムを加えたソ−スで、出来ればノ−ブルでカンパ〜イ♪は、如何でしょうか。それにしても夏のブル−・ベリ−の収穫時期が待ちどうしい。勝手ながらの発想にお許しを。


渡辺 正澄 プロフィール

農学博士(京大)、ワイン総合研究所 代表取締役社長、ワインマスター研究会 代表。
山梨大学工学部応用化学科卒。ドイツ・スペイン国際学会等でワインと料理の相性や醸造学などの学術研究を発表。著名な日本のエノロジストの一人として評価される。
国際ワイン醸造経営協会日本理事、社団法人 日本ソムリエ協会名誉ソムリエ。
1978年、日本醸造協会技術賞 受賞。著書に「ワインと料理の相性ピタ・ピタ講座」 「ワインの常識がガラリと変わる本」「ヨーロッパワイン美食道中」などがある。


   
(1)牡蠣とワインの相性(2)牛しゃぶとワインの相性
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