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                                                            ワイン総合研究所   渡辺  正澄  
 生カキとワインが、ピタピタと合ったとき

  カキ(マガキ)は、大寒前後の一カ月が一番旨い。
今年は、1月20日(月)が大寒である。もう20年も前だが、広島市の太田川に浮かぶカキ船で、氷でびっしり冷やされた生ガキを食べた。そのカキにレモン汁をたっぷりかけて一口味わった。そのとき、冷えた辛口で樽熟してないさわやかな白ワインと味わった。なんと清冽なレモン汁に包まれた生カキは、口の中のワインと渾然一体となった。とろけるような味覚である。この味覚は、カキだけ味わっても、ワインだけ味わっても決して生まれてこない旨さだ。なんという美味! 旨すぎて泣けてきそうだ。 (渡辺正澄、藤原正雄:ワインと料理の相性診断、講談社より)


 カキは、体内に乳酸が多いので、クエン酸の多いレモン汁を、たっぷりかけることにより、カキの乳酸は薄められ、レモン汁のクエン酸と相性のよい白ワイン中のリンゴ酸や酒石酸ともなじんでくれたのである。

   生カキとシャブリ
 

 フランスの美食家は、生ガキに塩とレモン汁を振りかけて、ブルゴ−ニュ地方の白ワイン(シャルドネ品種)のシャブリの一級か特級と合せることが多い。 このシャブリに似た品質のブルガリアの白ワインには、メルニック社のベルグ−レ、ヴィオニエがある。先日、このワインと生カキに塩とレモン汁を振りかけて味わった。なんと、なんと、おいしい!このワインの価格は手ごろだが品質は高貴である。このワインは、10℃位でおいしい。いくらか樽熟香があり、アルコ−ル発酵の後で、マロラクチック発酵をしたワインだ。マロラクチック発酵とは、ワイン中のリンゴ酸を、乳酸菌によって乳酸に変える発酵のことで、これによって、酸味はまろやかになる。同時に乳酸があることによって、乳酸のあるカキのような食材に合い易くなる。

   ワインと料理 相性の仲介役は調味料

 ワインと料理の相性で大事なのは、調味料が仲介役となる。上記の例では、生カキにかけた塩とレモン汁が、ワインと料理の仲介役であった。
ところが、生カキの食べ方とワインの相性は、世界各国のワイン・タイプにより、仲介役の調味料が微妙に変わってくる。

    タンニンの多い白との合わせ方

 たとえば、南オ−ストラリアのワイン産地の中心にあるアデレ−ド市のレストランで食事をしたとき、現地の人達は、白ワイン(シャルドネ品種)と、100%新鮮なタスマニア産の生ガキに、レモン汁だけでなく、“コショウ”を振りかけていた。コショウを振りかけるのは、このシャルドネの成分に、シャブリ−よりもタンニン(ポリフェノ−ル)が多いことによる。コショウとタンニンは、相性がよいからだ。

    ブルガリアのホワイト・マヴルッド

 このようにタンニンが多めのブルガリアの白ワインと言えば、ホワイト・マヴルッドがある。ホワイト・マヴルッドは、赤品種マヴルッドの果皮の紫赤色を抽出されないように圧搾した果汁から造る。このような赤ぶどうから白ワイン(原酒)を造る方法は、フランスのシャンパンでも行われている。
さて、ホワイト・マブルッドには、やや多めのタンニンが含まれているので、前記のオ−ストラリアのタンニンのやや多めのシャルドネと同様に、生カキに塩、レモン汁、コショウなどを振り、このホワイト・マヴルッドと合せる。すると、なんと、おいしいでは、ありませんか。口の中は、マ−ブルッド!とさえずっている。

甘口白ワインと
アメリカでは、生ガキに甘口のトマトケチャップをかける。こういった場合、やや甘口白のブルガリアのムスカット・オトネルとなら、トマトケチャップにレモン汁をプラスして、料理とワインの酸味と甘味を一致せる。♪サンとアマミ♪? なんだかシャンソンを歌いたくなる。

生カキと赤ワイン
では、生カキと赤ワインは、どうすればよいか。白もよいが赤ワインでは?赤ワインには、老化防止や血流をよくし、心臓病にもよいといわれるポリフェノ−ル(タンニン)が多い。そんなわけで、毎日、赤ワインばかり飲んでいる方からご質問を頂いたことがある。「赤ワインと生カキを合せるにはどうする?」

ソ−スにバルサミコ酢を入れて
ここでも相性をよくする調味料が仲介役となる。生カキと合せる赤ワインは、生カキの体内には乳酸があることから、相手の赤ワインもマロラクチック発酵による乳酸のあるワインが合わせ易い。さらに仲介役の調味料として、乳酸を含んでいるバルサミコ酢が最適では? そこで、醤油とバルサミコ酢をベ−スに、次のようなソ−スを用意した。
醤油(40%)+バルサミコ酢(40%)+レモン汁(5%)+オリ−ブ油(10%)+ショウガとニンニクを半量ずつの磨りおろし汁(5%)のソースを、生カキと赤ワインの仲介役にしてみる。

ブルガリアのメルロ−
このソースを、生カキにかけて、ブルガリア産メルロ−(商品名Buchus:バッカス)と合せてみよう。オ−、ワンダフル!うきうきして来る味覚は、生カキの新鮮な味わいが、オリ−ブ油や赤ワインのタンニンとうまく絡まって、ヨハン・シュトラウスの「美しく青きドナウ」を歌いたくなるような“メルロ−・メルロ−”な興奮に包まれる。 こうなれば酒神バッカス様にも捧げたい。

もっとよいのは、冷蔵庫に数時間よく冷やして、生カキとソ−スをなじませてから、赤ワインと合せると、これはもう運命(ウメ−)な!ニッコリの相性が、ダ・ダ・ダ・ダ−ン♪とくる。それに、生カキ、バルサミコ酢、レモン汁、オリ−ブ油、ショウガ、ニンニク、赤ワインなどなどには、健康によい成分をたっぷり含んでいる。

先日は、生カキとワインの相性を楽しんでいるうちに、♪カキよ、カキ!カキ・クケコ〜♪・・・ なんだか意味不明のことを言いながら、楽しく酔っぱらってしまった。

 

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