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ワイン総合研究所   渡辺  正澄
 
   サバとオリ−ブ油とワイン:相性のよい健康食品(食材)

真冬の夕食に、サバの塩焼きに醤油とレモン汁を振り、赤ワインと共に味わうと、まったく“サバ”けた味わいに、♪心サバサバ・ウキウキ!♪ ところが白の辛口と合せたら、なんと、「ア−・無情!」の“哀傷”(相性)!
一般に魚介類は白ワインに合わせるが、油分や乳酸が多い旬のマサバは、「ワインと料理の相性表」では、温旨系食材なので、同じ温旨系の赤ワインに合い易い。
Dr渡辺のブルガリアワインを10倍楽しむ法、ワインと料理の相性関係(1)相性表:bulgariarose.co.jp/wine.image/winetable.pdf
しかし、調理方法によってサバに多い油分や乳酸をぐんと減らしたサバの押し鮨は、なんと白ワイン(冷旨系)にピッタリと合わせることができる。
それだけではなく、油分がなく、バサバサの旬でないサバの塩焼きにオリ−ブ油を浸み込ませて、さらに醤油やレモン汁を振りかけると、あっという間に味わい深い料理になる。このオリ−ブ油の偉大な味覚改善の効果には感心する。
ついでだが、オリ−ブ油は、善玉コレステロ−ルの増加、動脈硬化の防止、美肌効果などがある。地中海沿岸の人達は、オリ−ブ油を料理に多く使うので、長寿になりやすいそうだ。
一方、旬のサバもオリ−ブ油には負けない位な健康食品(食材)である。悪玉コレステロ−ルや中性脂肪を減らし、動脈硬化、脳卒中、高血圧を予防する多価不飽和脂肪酸のEPAやDHAなど、そのほかにビタミンEなども多く含まれている。
しかも、これらの油分に相性の良いワインのタンニン(ポリフェノ−ル)も、様々な成人病に効果がある。体に良い油分の多い焼きサバ、オリ−ブ油、タンニンの多い赤ワインを、同時に摂れば、ますます元気になり、ストレスも、アラ・サラバ!  
ふと、フランスでは、Ca va ? (サヴァ?)といえば、挨拶代りの”元気?“、または”ご機嫌いかが?“などの意味だが、サバ・サバした軽快な発音の一致に心がなごむ。
日本語のサバは、フランス語でマックロ−(maquereau=大西洋産サバ)となる。先年、ボルド−へ出かけた時、現地の魚介レストランで提供されたマックロ−のソテ−には、ブル−・チ−ズのソ−スが添えてあった。今回は、サバの塩焼き・押し鮨・ソテ−などの料理と、ブルガリアの様々なワインとの相性をご紹介する。

   サバの種類

ところで代表的なサバとして、日本近海で獲れるマサバは、10月から11月にかけておいしくなり“秋サバ”とも呼ぶ。 このマサバは、12月から2月まで“寒サバ”とも呼ぶ。また油の乗ったマサバを、「とろサバ」とも呼び、豊後水道で獲れる大分の関サバ、神奈川の松輪サバ、青森の八戸前沖サバなどは、特に美味である。
(ja.wikipedia.org/wiki/マサバ)
一方、魚皮に斑点模様があるゴマサバは、油分が少なく1年中ほとんど味は変わらない。マサバの味が落ちる時期に出まわるゴマサバの旬は、一応、6月下旬から10月初旬頃とされている。 なお、意外に人気があるノ−ルウェ−から輸入される大西洋サバは、油が乗った時期にだけ漁獲されるので、油分も旨味(アミノ酸)も多くて美味しい。(foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/fish/saba.htm)
ただノ−ルウェ−産は冷凍期間が長くなって、生くさ臭がある場合は、水で3〜4倍に薄めたお酢に1時間ほど浸けてから、さらに酢洗いして小麦粉で薄くまぶして、オリ−ブ油でソテ−する(後記参照)。
輸入されている大西洋サバは、油分や旨味の外に乳酸も多いので、乳酸の多い醤油を振りかけて、油分と相性のよいタンニンや乳酸が多い赤ワインと合せるとおいしい。この際、レモン汁(冷旨系)を、ちょっと振りかけると、赤ワイン中にある酒石酸(冷旨系)とも合って一層深みのあるよい相性になる。

   サバの塩焼き

サバは焼く前に、塩・コショウを振る。塩は焼いたときに身崩れを防ぐ役割をする。またコショウは、ワインのタンニンとも合い易い。一方、サバの塩焼きにレモン汁を振ると、サバの嫌な焙焼臭は消える。同時にレモン汁は、ワイン中の酸(冷旨系の酒石酸やリンゴ酸)との相性を一致させる上でも役立つ。さらに、コショウの香りとレモンの香りは、相乗性があって香しさが引き立つ。ところで、旬のサバは魚介類の中でも、乳酸(温旨系)が一番多く含まれている(6.4g/ 1kg)。この量は、高級赤ワインの約2〜3倍にもなる。サバの油分もかなり多い(165g/1kg)。(池田静徳:魚介類の微量成分)
このように、乳酸や油分も多いサバは、ワインと料理の相性表で見ると、既述のように温旨系食材になる。一方、醤油中の乳酸量は約20g/Lで、これも温旨系調味料になる。(神戸千幸:第11. 醸造シンポ.)サバの塩焼きに、醤油やレモン汁を振ると、赤ワイン中にある乳酸や酒石酸やリンゴ酸(冷旨系)に合ってくる。この場合、振りかける量の割合は醤油(50%) +レモン汁(50%)ほどでよい。このサバの塩焼き・醤油・レモン汁の料理に合うワインは、ブルガリアのマヴルッド、カベルネ・ソ−ヴィニヨン、メルロピノ・ノワ−ルなどだ。ワインによって、相性が、もしいくらか合わない時は、レモン汁かコショウのどちらかの調味料を加えれば、もっと良い相性が楽しめるだろう。

      
   
    1.サバの押し鮨

“サバの生き腐れ”と言われているように、サバは腐敗しやすく、また寄生虫のアニサキスでアレルギ−や胃壁が傷つけられる場合がるので、サバを生食する場合は、細心の注意が必要である。
サバの押し鮨のように生のサバを食べるときは、超新鮮なサバの尾ひれを鋏で取り除いてから厚めのポリ袋内に、お酢(50%)と水(50%)の混合液で包むようにして袋内の空気は追い出して、2〜3日間冷凍(フリ−ジング)する。こうすると、お酢はサバの臭みを消してくれる上にサバを新鮮に保ち、アニサキスの害も防げる。

解凍したサバは、塩を多めに振り、約2〜3時間そのままにしておく。その間に魚肉の油分や乳酸が体外に吸い出される。その後で振り塩を洗い流して米酢に浸ける。この酢じめは低い温度で30〜40分にする。酢じめをすると、酢の成分がサバの体内に浸透し、サバの肉質は本来含んでいる多量の乳酸(温旨系)が減少して、酢酸(冷旨系)が多く含まれるようになる。こうすると、塩味と酸味が極端に強く感じない美味しさ、いわゆる“あんばい(塩梅)の調和のとれた肉質になり、甘味と酸味基調の鮨米に乗せて押し鮨にする。これによく合うワインは、やや甘口の白のムスカット・オットネルだ。

   
    3.サバのオリ−ブ油ソテ−・レモン風味(2人分)

新鮮なサバを3枚におろし、切り身2切れを、さらに4等分に分けると8個の切り身ができる。これにお酢を振りかけてから、水気をきる。小麦粉に塩・コショウを少量混ぜてから、切り身にまぶす。フライパンにオリ−ブ油を薄く敷き、ニンニク1個をスライスして加えて弱火で加熱する。スライスが色づいて香りが出てきたら、取り出して、サバの両面を焼く。出来上がったらニンニクのスライスと共に皿に乗せる。このサバのオリ−ブ油のソテ−にレモン汁を振る。レモン汁(冷旨系)によって、サバのソテ−は、辛口の白のホワイト・マヴルッドやシャルドネ(冷旨系)と、ピッタリと合ってくる。もしこのソテ−を食べた時、味が薄ければ、塩・コショウを少量加える。 

 
    4.サバのオリ−ブ油ソテ−・ブル−・チ−ズ・ソ−ス(2人分)

サバのオリ−ブ油ソテ−は、まったく3と同様にして作る。ただソ−スは、次のように、ブル−・チ−ズ(70%)を電子レンジで溶かし、レモン汁(30%)、おろしニンニクと、塩コショウを少々加える。この料理は、厚みのある高級赤ワインと合すとおいしい。例えば、マブルッド・プレミアム・リザ−ブやカベルネ・ソ−ヴィニヨンなどだ。



 

   
    5.サバのオリ−ブ油ソテ−・しゃぶしゃぶ用ゴマダレ+ブラック・ペパ−(2人分)

このサバのオリ−ブソテ−は、市販のしゃぶしゃぶ用ゴマダレにブラック・ペパ−を少量振りかけて混ぜる。簡単にできるたれだが、赤ワインとの相性はよく、おいしい組合せになる。ゴマダレの甘味は、赤ワインの渋味(タンニン)を消すので、なめらかな味わいを“満喫”できた。
なお、この甘いゴマダレ(40%)に酸味のレモン汁(60%)を加えると、マスカット・オットネルの甘味と酸味に合ってくる。このたれを、サバのオリ−ブ油ソテ−に、からめてもよい。

    6 サバのオリ−ブ油ソテ−・トマトケチャップ・ヨ−グルド・レモン汁・塩コショウ

この場合、トマトケチャップ(30%) +ブルガリア・ヨーグルド(30%) +レモン汁(40%)+塩・コショウ適量で、納得のたれができた。ヨ−グルド中の乳酸の苦味は、トマトケチャップの甘味(糖分)で消されてしまい、爽やかな酸味に変わる。このたれを、サバのオリ−ブ油ソテ−にかけて味わうには、マスカット・オットネルがピタ・ピタ! オット!寝る!には、まだ早い♪(甘口ワインは、寝付きを早くします)

如何でしょう?これらの素晴らしい相性に、カンパ〜イ! ナズドラベ♪〜(ブルガリア語)


   

<渡辺 正澄 プロフィール>

農学博士(京大)、ワイン総合研究所 代表取締役社長、ワインマスター研究会 代表。
山梨大学工学部応用化学科卒。ドイツ・スペイン国際学会等でワインと料理の相性や醸造学などの学術研究を発表。著名な日本のエノロジストの一人として評価される。
国際ワイン醸造経営協会日本理事、社団法人 日本ソムリエ協会名誉ソムリエ。
1978年、日本醸造協会技術賞 受賞。著書に「ワインと料理の相性ピタ・ピタ講座」 「ワインの常識がガラリと変わる本」「ヨーロッパワイン美食道中」などがある。



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